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大手製造業様
お客様は補修部品を扱うサービスパーツ部門。業務効率化のためにDWH(データウエアハウス)の構築を望んでいましたが、IT部門のリソースは慢性的に不足していました。やむなく自部門で対応可能な範囲でデータ利活用を進めていたものの、現場主導での取り組みに限界がありました。課題を感じたお客様からウルシステムズに支援の要請がありました。
サービスパーツ事業部では受注システム、倉庫管理システム、出荷システムなどを運用していましたが、相互の連携が不十分でした。受注から出荷まで業務を一貫して把握するためには各システムのデータをExcelで結合・分析する必要があり、その工数が担当者の負担となっていました。また、データの結合・分析の手法も担当者ごとにバラバラだったため、部門全体のデータを分析するためにはExcelファイルを手作業で集約する必要がありました。状況を改善するためにDWHの構築を要請していましたが、IT部門には対応する余力や予算がないため長らく進展がありませんでした。サービスパーツ部門は自部門予算でサーバーを設置し、データを共有するなど工夫していましたが、片手間での取り組みには限界がありました。そこで同社のDX推進を支援していたウルシステムズに支援を要請しました。
最終的にはDWHの構築も視野に入れつつ、まずは足下のデータ利活用をブラッシュアップさせるべきだと判断しました。サービスパーツ部門がサーバーに蓄積したデータを整理・整頓するとともに、関係者を巻き込んで業務改善の実績を重ねることを提案しました。
データ利活用による業務改善は以下の3ステップで進めました。
まずは、受注システム、倉庫管理システム、出荷システムのデータ、各担当者がExcelで結合・分析する際に用いる補完データを部門データベース上に集約する仕組みを構築しました。それぞれのデータは利活用しやすいように正規化。受注から出荷までのデータに横串を刺せるようにしました。これによりデータの準備に伴う手作業を削減しました。
データベース整備後は、短期間で成果が出る施策、迅速に実行できる改善策を集中的に実施しました。データ利活用に特に意欲的だった調達担当者の課題解決からスタート。その後、倉庫や貿易実務など周囲の関係者にもデータを使った業務カイゼンを提案していきました。着実に実績を積み上げていった結果、悩みごと・困りごとの解決にデータを利活用する機運が拡大し、多くの関係者がデータ利活用の有用性を認識するに至りました。
データ利活用による業務改善の実績が積み上がったところで経営層にも成果を報告。データ利活用の有用性を評価されるに至りました。翌年度の予算策定時にはサービスパーツ事業のDWH構築に取り組むよう取締役から指示が出されました。IT部門も経営層の後ろ盾を得たことでDWH構築に十分なリソースを投入できる環境が整いました。
最初から大きな投資をするのではなく、まずは手元にあるデータを整理・統合する。短期間で成果が出る施策、迅速に実行できる改善策、いわゆるクイックヒットなアプローチで効果を挙げる。こうした取り組みを通じて最終的に経営層を動かすまでに至りました。サービスパーツ部門はDWH構築後、より踏み込んだデータ利活用と業務改善を進めています。