PROJECT

プロジェクト事例

内製化チームにおける上流工程の標準化

大手小売業様

内製化チームにおける上流工程の標準化

流通・小売
デジタル組織の育成

サマリー

大手製造小売業様では急成長する事業を支えるためシステムを内製してきました。開発組織の拡大に伴い、成果物の品質や作業の生産性のバラツキが表面化。組織的な対応が求められていました。ウルシステムズは上流工程を標準化。ルールの浸透状況や改善効果を評価するダッシュボードを整備し、お客様が改善サイクルを回し続けるための仕組みを構築しました。

背景

お客様は大手製造小売業様。ユニークなビジネスモデルで右肩上がりの成長を続けています。スピードを重視する同社ではビジネスニーズに即応するため、業務システムを内製してきました。システム規模の拡大に合わせて開発メンバーを増員してきましたが、近年は成果物の品質や作業の生産性のバラツキが組織的な課題となっていました。お客様は今後の陣容拡大を見据えて、早期の手当てが必要だと判断。ウルシステムズに支援を要請されました。

提案方針/活動内容

ウルシステムズはヒアリングや成果物の調査を通じて実態を把握。企画や要件整理などの上流工程で問題が顕著であることを突き止めました。担当チームでは個人技を重視する傾向があり、作業の手順や作成すべき成果物、後続工程への引き継ぎ方法など、業務遂行に必要な知識・ノウハウが共有されておらず、相互チェックも機能していませんでした。この結果、担当者によって品質や生産性が大きく異なり、場合によっては品質トラブルを惹起していました。

メンバー間のバラつきを解消すべく、ウルシステムズは上流工程の標準化を提案しました。プロジェクト計画や要求整理、要件定義、調達、受入テスト、プロジェクトマネジメントの各領域に対して標準ルールを策定しました。個人技で実績を積み上げてきたメンバーの抵抗感を軽減するため、ルールは必ず守るべき最小限のものに絞り、ある程度のバラツキを許容する形としました。

さらに、ルールへの準拠状況や成果物の品質、作業の生産性を継続的に測定し、ルールがメンバーに浸透しているか、標準化による効果が上がっているかを追跡できるようにしました。モニタリング対象の指標はメンバーの手間をかけずに収集できるようにしました。また、チームメンバーが任意のタイミングで情報を閲覧できるようダッシュボードを整備しました。

結果

半年間にわたる準備期間を経て、上流工程の標準ルールをリリース。その後、実案件に適用しながらブラッシュアップを重ねています。ダッシュボードを活用した活動の評価と見直しを継続的に実施することでお客様の社内に改善サイクルが定着。標準ルールも順調に浸透しており、成果物の品質や作業の生産性の指標も好調に推移しています。