PROJECT

プロジェクト事例

マイクロサービスアーキテクチャによる攻めの基幹システム構築

大手小売業様

マイクロサービスアーキテクチャによる攻めの基幹システム構築

流通・小売
アジャイル開発
先端テクノロジー活用

サマリー

大手製造小売業様では老朽化したシステムがスピーディな事業展開を阻んでいました。次期基幹システムの検討を始めたものの、投資対効果に対して経営陣が懸念を表明。ウルシステムズはお客様の事業方針や社風などを理解した上で、堅牢性と柔軟性を両方兼ね揃えたアーキテクチャとフレームワークを提言。経営層の承認を得て、基幹システム刷新を完遂しました。

背景

お客様は大手製造小売業様。消費者のニーズへの迅速な対応や新サービスの継続的な投入といったビジネス上の要求に販売管理を中心とする基幹システムが追従できない状態でした。事業の拡大や持続的な成長を盤石なものにするためには抜本的な対処が不可避と判断。次期基幹システムの検討を本格的に開始しましたが、経営層から投資対効果に疑義が呈されていました。

提案方針・活動内容

当初のプランではコストを抑えるためにシステム基盤にスコープを絞っていました。しかし、システムの入れ替えだけでは費用に見合った効果を期待することはできません。

ウルシステムズはお客様のビジネス状況やスピード重視の社風を踏まえて、基幹システム刷新のゴールを再検討しました。お客様との議論の結果、「システムの変更に必要な期間とコストと圧縮し、消費者に有益なサービスを迅速に提供できるようにする」「本部と店舗に分散しているデータベースを統合し、『当日配送』や『当日引取』など消費者の利便性を高めるサービスを提供できるようにする」などいくつかのゴールを設定。最終的に経営層の承認を得ました。

システムアーキテクチャにはマイクロサービスアーキテクチャを採用しました。当時、基幹システムでの採用例は少なかったものの、新規サービスの提供や顧客リレーションの構築の起点となること、店舗スタッフや顧客からの要望に素早く応じる必要があることなどを考慮しました。開発効率向上とベンダーロックイン回避を両立するため独自のフレームワークを構築。グローバル展開を見据えてパブリッククラウドやオンプレミスなど複数のプラットフォームに対応しました。日々の運用で得られた気づきを素早くシステムに反映するため内製化組織を設置。お客様側の技術者に教育を実施して、必要な機能をスピーディに開発できる体制も整えました。

結果

システムインフラの全面的なクラウド化、店舗に分散していたデータベースの一元化、業務ロジックのマイクロサービス化といった施策により、運用費の削減と開発生産性の向上を達成しました。データベースを集約したことにより情報のリアルタイム性も向上。鮮度の高い情報を活かした顧客サービスが可能になりました。基幹システムの刷新のために導入したフレームワークやガバナンスルールは他のシステムにも採用されて更なる進化を遂げています。