PROJECT

プロジェクト事例

DXを加速するセキュアなPoC基盤構築

大手保険業様

DXを加速するセキュアなPoC基盤構築

金融・保険
アジャイル開発
先端テクノロジー活用

サマリー

大手保険会社様では最新テクノロジーを活用した新規サービスの開発に取り組んでいました。その過程で課題となったのがデータの品質です。精度の高いシミュレーションの実施にはリアルなデータが欠かせませんが、そのためには安全な利用環境を確保する必要があります。ウルシステムズは最先端の技術を駆使して、セキュアなPoC基盤を構築しました。

背景

お客様は日本有数の大手保険会社。機械学習などの新しいテクノロジーを積極的に活用したビジネスモデルの開発に取り組んでいます。アイディアの現実性を判断する上ではPoC(Proof of Concept:概念実証)で利用するデータの品質が極めて重要です。実際のデータを使うことができれば、精度の高いシミュレーションが可能になります。個人情報を始めとする機密性の高いデータをいかにセキュアに扱うか。安全なPoC環境の整備が重要課題となっていました。

提案方針/活動内容

お客様から寄せられた相談は「セキュリティを確保した最初のPoC基盤を2カ月以内に利用できるようにしてほしい」というもの。ビジネスの状況を考慮すると、できるだけ早くPoC環境を利用できるようにする必要がありました。一方で、機密性の高いデータを扱う以上、PoC環境のセキュリティ確保は絶対条件です。利用者個人の判断や注意に頼ることなく、データ漏洩などのインシデントがそもそも発生しえない環境と運用手順を作り上げることが不可欠でした。

ウルシステムズは要件を網羅的に洗い出した上で、優先順位を付けて段階的にPoC基盤を拡張するアプローチをとりました。データ分析のプロセスモデル「CRISP-DM」やIPAが提供する「非機能要件グレード」をベースに機能要件と非機能要件のたたき台を作成。お客様とのディスカッションを重ねてPoC基盤の具体的な利用イメージと機能要件、非機能要件をリストアップし、何から優先的に実現すべきかを合意しました。

その後、アーキテクチャ設計および実装に着手。最新のクラウドサービスを積極的に取り入れつつ、セキュリティ面に万全を期すため、技術検証チームを組織。提供事業者クラウドサービスベンダーに詳細仕様の確認や改善要求を実施することでPoCのセキュリティを盤石なものとしました。さらに、IaC(Infrastructure as Code)やスクリプトを用いて環境構築や検証を徹底的に自動化することでPoC環境調達のリードタイム短縮と品質確保の両立を実現しました。

結果

システム構成のパターン化と環境構築・検証の自動化により、PoC環境の構築基幹が1カ月から1週間まで短縮。実施可能なPoCの件数が格段に増えたことで、ビジネスの実用化に貢献しています。クラウドサービスやセキュリティリスクの最新動向をチェックし、システムを継続的に実施する体制を構築。常に改善し続ける「システム」と「チーム」の両方を実現しました。