〜RAGの活用により分析レポートの作成や技術サポートを大幅に効率化〜
ウルシステムズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:横山芳成、以下、ウルシステムズ)はこの度、出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井則明、以下、出光興産)の先進マテリアル部門における生成AIの活用をご支援しました。
出光興産は燃料油を中心として基礎化学品、高機能材、電力・再生可能エネルギー、資源などの開発・製造・販売を手掛ける大手石油関連企業です。同社では生成AIワーキンググループを設置し、生成AIの本質的価値の見極めやビジネスインパクトのある活用法の探求に取り組んでいます。特に、社内外のデータを活用して生成AIの知識を拡張するRAG(Retrieval Augmented Generation)技術の有用性に着目し、現業部門と連携したソリューション開発を進めてきました。
こうした取り組みの一環で、同社の先進マテリアル部門はこのほど2つの業務に生成AIを導入しました。1つは競合製品の分析レポート作成です。インターネットや特許データベースで競合製品の情報を収集・分析し、開発予定の新素材が優位性を備えているか報告します。もう1つは技術サポートです。製品の不具合に関する問い合わせを受けた際に顧客管理システムやクラウドストレージを検索し、類似する問い合わせや原因調査を洗い出します。いずれも膨大なデータを抜け漏れなく処理し、短時間で高精度な結果を得ることに成功しています。実務で要求される精度の実現にはRAGの最適化が寄与しました。
上記のAIアプリケーションは出光興産とウルシステムズが共同開発した生成AIプラットフォーム上で運用しています。Azure OpenAI ServiceをはじめとするMicrosoft Azureのクラウドサービス群とオープンソースのAIアプリ開発ツール「Dify」、出光興産が保有する各種データソースとの連携ツールなどを組み合わせたものです。同プラットフォームを利用することにより自社固有のナレッジを活かしたAIアプリケーションを短期間で開発できます。今回取り組んだ分析レポート作成や技術サポートに加えて、潜在的な市場機会の発見や知財関連業務の効率化など創造力が問われる領域でも成果を上げ始めています。
ウルシステムズは今後も生成AI活用を通じて出光興産の変革をご支援してまいります。
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