ウルシステムズの「UMLaut® ソフトウェアフレームワーク」を丸井グループが全社の新基幹システムに全面採用

ウルシステムズ株式会社（本社:東京都中央区、代表取締役社長:漆原 茂、以下 ウルシステムズ）はこのたび、株式会社丸井（本社:東京都中野区、代表取締役社長:青井忠雄、以下丸井）グループ全社の新営業系基幹システムの中核である業務アプリケーション基盤としてウルシステムズの技術が全面採用されたことを発表します。グループ全体の経営を支える戦略的なシステムである新営業系基幹システムは、丸井グループの情報システム会社である株式会社エムアンドシーシステム（本社:東京都新宿区、代表取締役社長:篠瀬達也、以下M&C）が開発を行い、2004年10月に無事カットオーバーを迎えました。

近年競争が激化している百貨店業界では、消費者の嗜好の多様化に伴い商品の多品種化が進んでいます。そのため、100万単品あまりに及ぶ商品のMDサイクルの効率化・スピードアップ、在庫の適正配置や適切な価格コントロールをサポートする仕組みが求められていました。これらの課題解決のため、丸井は商品の在庫を単品レベルでリアルタイムに管理し業務効率及び販売計画の精度向上を実現すべく、100億円超を投じて営業系基幹システムの刷新を決意しました。新営業系基幹システムは、事業戦略に応じて柔軟に対応できるよう旧来のメインフレームではなくJava等の先端技術を活用したオープン系システムで開発する必要がありました。そこでM&Cは、オブジェクト指向設計やJ2EEの大規模基幹系システムの技術コンサルティングで定評のあるウルシステムズをパートナーとして選び、丸井グループ全社の新営業系基幹システムのアプリケーションフレームワークとして「UMLaut（ウムラウト）ソフトウェアフレームワーク」の全面採用を決定しました。

「UMLautソフトウェアフレームワーク」は、大規模オープンシステム構築をマルチベンダー環境下でスムーズに実施するために、全社レベルでの全体最適化を可能にする基幹業務アプリケーションプラットフォームです。新営業系基幹システムでは、「UMLautソフトウェアフレームワーク」を使うことで、品質及び生産性の向上やアプリケーションの部品化による柔軟性の実現、大規模システムに必須の性能と信頼性を確保しました。

ウルシステムズは今回のシステム開発にあたり、M&C側の技術者に対してJavaなどのオープン技術や「UMLautソフトウェアフレームワーク」を用いた開発手法をOJT方式でトレーニングしノウハウを移行しました。その結果、開発方法の標準化とM&C側のシステム要員のスキル向上に貢献することができました。

（図）丸井 新営業系基幹システムの全体像

今回カットオーバーした丸井グループの新営業系基幹システムの全体像における「UMLaut ソフトウェアフレームワーク」の役割は以下の通りです。

1. ソフトウェア基盤の構築
   UMLautソフトウェアフレームワークを基盤とした個別基幹業務アプリケーションをコンポーネント化しました。
2. MVCアーキテクチャの採用
   各プログラムのアーキテクチャを統一することにより、プログラムコードの品質を一定以上に保ち、保守性を向上させました。
3. 自動生成ツールの活用
   UMLautソフトウェアフレームワークの自動生成ツールにより、データベースアクセスを隠蔽し高い生産性を実現しました。また、共通部品を利用することによりJavaでの開発が初めての技術者でもスムーズな開発が可能となりました。
4. 業界標準の採用
   Strutsなどのデファクト標準技術の採用により各ベンダー製品からのアプリケーションの独立性を確保し、開発要員教育のコスト削減及び期間短縮を実現することができました。

M&Cシステム企画本部 常務取締役本部長 佐藤 元彦氏は、「丸井グループでは、商品の販売情報を単品ベースで把握しMD業務の質を高め利益の最大化を図りたい等のねらいがありました。その実現が期待できる新営業系基幹システムは、丸井グループの経営を支える重要なITといえます。これから新システムの開発に挑戦する上でも、ウルシステムズの高い技術力やUMLautソフトウェアフレームワークは鍵となると考えています。今後の展開も含めてより一層両社の協調を深めていきたいと思います。」と述べています。

今後両社は共同で、今回の新営業系基幹システムをベースに、丸井のメンバーズカード「赤いカード」事業を支える顧客系システムなど主要基幹システムを順次刷新していきます。