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ウルシステムズ、大規模Webサイト構築の開発技術「UMLaut™」の技術トランスファーサービスをスタート
プレスリリース2001年09月07日

ウルシステムズ、大規模Webサイト構築の開発技術「UMLaut™」の技術トランスファーサービスをスタート

~オブジェクト指向の最先端技術を包括的フレームワークとして提供~

eビジネスの戦略的テクノロジーコンサルティングカンパニーであるウルシステムズ株式会社(本社 東京都中央区、代表取締役社長 漆原 茂)は、大規模サイトを運営する大企業に対して、大規模Webサイトを極めて短期間で構築する開発技術「UMLaut™」(UML-based AUtomation Technology)を顧客に技術トランスファーするサービスを開始することを発表しました。すでに2社の提供先が予定されており、これを皮切りに初年度5社程度にこのサービスを提供する予定です。

近年のインターネット技術の革新的な進歩に伴い、大規模なe-Businessサイトの稼動要求も多数増えてきました。e-Businessシステム構築の要求には、次のような特徴があります。

  1. アイデアが陳腐化しないうちに即座に市場展開させなければ機会損失を招くため、極めて短期間でシステムを構築しなければならない。
  2. サービス中断などのトラブルが発生すると市場での信頼を失うため、スピード開発であっても高信頼性、高可用性を実現しなければならない。
  3. 市場からのフィードバックや競合の追従に即座に対応するため、矢継ぎ早にサービスの追加や仕様の変更を行う必要がある。ビジネスの変更や拡張に柔軟に対処できるシステム構成をとらなければならない。
  4. ビジネスの成長に合わせて、システムを拡張できるように、長期的に陳腐化しない先進でオープンな技術を適用しなければならない。

これらの厳しい要求を満たすためにウルシステムズは、ビジネスモデルの策定からWebシステムの構築、サービス開始までのプロセスを徹底的に検証して共通化をはかり、開発プロセスや共通に適用可能なソフトウエア部品、アーキテクチャのパターン、開発環境、テスト手法などをあらかじめ整備して、短期間にシステマティックにビジネスを立ち上げる仕組みを作り上げました。この開発技術体系を「UMLaut」と総称します。

「UMLaut」は、オブジェクト指向の開発方法論やそのモデリング表現であるUMLTM(Unified Modeling Language)、サーバー側のJavaTM技術であるJ2EETM(Java2 Platform Enterprise Edition)、拡張性の高いデータ表現のXML(eXtensible Markup Language)など、オープンで実績の高い先進技術で構成されています。

「UMLaut」は、システム構築フェーズだけでなくビジネスモデル策定の段階から、一貫してオブジェクト指向技術を適用しています。オブジェクト指向技術によりビジネスモデルとソフトウェアの設計モデルを直結させることができるため、ビジネスモデルが変わっても即座にシステムを変更し追従することができるようになります。従来までのEJBコンポーネントの再利用といったシステム開発だけの局所的な効率化ではなく、e-Business構築全体を効率よく実施することが可能になります。

すでにウルシステムズでは、多くのプロジェクトにこの技術を適用し、付加価値の高いe-Businessをお客様とともに実現してまいりました。しかし、自社内に複数の大規模サイトを運営するお客様からは、「UMLaut」そのもののノウハウ伝授を求める声を多く頂きました。このようなお客様のニーズに答えるため、今回新たに「UMLaut」の技術トランスファーのサービスをスタートさせることになりました。本サービスは、確実に技術を使いこなしていただくため、実践を通じてのメンタリング方式で提供いたします。具体的には実際のe-Business構築プロジェクトをお客様と一緒に実施させていただくことで、方法論、環境、ドキュメントテンプレート、ソフトウエアアーキテクチャフレームワークなど一式を移転する形式をとります。

今回の発表にあたり、ウルシステムズ代表取締役社長漆原 茂は次のように述べています。「システムを作るところだけにフォーカスする従来型のシステムインテグレータでは、EJBコンポーネントの再利用など、実装面だけの局所的な効率化に終始しがちです。当社は創設以来、クライアントのビジネスを加速するという観点でコンサルティングサービスを提供してきました。その結果として、ビジネスのアイデア創出からそのモデル詳細化、そしてIT化プラン、システム構築というビジネス創造のライフサイクル全体を視野に入れた効率化の仕組みを方法論やフレームワークとして提供できるようになりました。すでにこの適用によって多くのプロジェクトで付加価値の高いシステムをデリバーしてきています。この技術を自社内に限らず、大規模サイトを運営する大手企業に提供することによって、日本におけるe-Businessの本格的普及に貢献したいと考えています。」

またウルシステムズ執行役員最高技術責任者(CTO)の山岸 耕二は次のように述べています。「オブジェクト指向技術は、ソフトウエアの構築技術として発展してきましたが、根底には業務モデルを正確に表現し、そのモデルをできるだけソフトウエアの構造に反映させようというコンセプトがあります。オブジェクト技術を適用することで、ビジネスモデルとソフトウエアの設計モデルを直結したものとして扱うことが可能になります。J2EEなどオブジェクト指向から派生する技術は、より上流で正確なモデリングを経て初めてその真価を発揮します。モデリングの過程をスキップさせたプログラミング段階だけの適用では、コンポーネントの再利用や拡張性の確保などオブジェクト指向が提供する恩恵を十分に生かすことができません。UMLautは、ビジネス構築の段階からUMLによるモデリングを正確に行うことによって、ビジネスモデル、設計モデル、実装モデルの各レベルでの再利用をはかっており、オブジェクト指向技術の本来のメリットを最大限に生かすことができます。」

UMLautの構成

UMLautは、e-Business 構築の開発ライフサイクル中で標準的に適用することによって開発効率が高まるベストプラクティスを集約した包括的フレームワークです。以下のカテゴリから構成されます。

  • e-Business 構築の開発プロセス(オブジェクト指向の開発方法論をベースにビジネスモデル策定からシステム構築までを一貫してサポート)
  • J2EEをベースとするソフトウエアフレームワーク
  • 開発環境
  • 開発プラットフォーム
  • 構成管理環境
  • テスト環境
  • 開発支援ツール
  • e品質管理手法(プロジェクト体制、メトリクス(ソフトウエアの規模、工数、品質を計測する手法))
  • Knowledge Managementの仕組み(ソフトウエアの分析、設計モデルの再利用、プロジェクトでのWeb情報共有の仕組み)
UMLautnを構成するカテゴリ

UMLautを構成するカテゴリ

UMLautの特徴

  • ビジネスモデルの策定段階から始まり、IT化プランニング、システム構築まで、e-Businessの開発サイクルを包括的にサポートする。各プロセスのアウトプットが次のプロセスのインプットとして確実に引き渡され、ビジネスモデルに直結したシステムを期間内に確実にデリバーする仕組みを提供している。システム化不可能なビジネスコンサルや、突然システム開発が始まるソフトハウスのサービスと一線を画するサービスモデルである。
  • 一貫してオブジェクト指向のコンセプトに基づいている。開発ライフサイクル中、モデル表現には業界標準であるUML表記を適用する。
  • システム開発段階のプロセスは、代表的オブジェクト指向開発プロセスのRUP(Rational Unified Process)をベースにe-Business開発向けの独自カスタマイズを施している。適所には、最新の開発プロセスであるXP(eXtreme Programming)も部分的に採用している。
  • システム構築の実装段階のコンポーネント再利用だけでなく、それよりも上位の設計モデルや、そのさらに上位の分析モデル、概念モデルでの再利用を仕組みとして取り入れている。
  • 大規模なe-Businessにフォーカスして最適化しており、システム構築の実装系としてJ2EE、XMLの技術を導入している。実装はほぼ3ヶ月で完結するようにソフトウエアフレームワーク、開発環境、テスト手法、ドキュメントセットなどの、具体的手順を定めている。

UMLautは、ウルシステムズの商標です。その他、記載されている会社名、製品名は一般に各社の登録商標または商標です。

本件に関するお問い合わせ

ウルシステムズ株式会社
広報室 三浦 おりえ
TEL:03-6220-1400
Email:press@ulsystems.co.jp

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